星の使者
司令官 あるいは将軍
私は、
この惑星、
地球を外から見ています。
無数の恒星間宇宙船の艦隊が、
地球に集結しています。
壮大な光景です。
静寂の宇宙に、「愛」が全てを包み込んでいます。
地球に神聖な太陽が昇ります。
始まり太陽です。
ダイヤモンドリング。
地球の夜明けです。
そのとき、
静寂の宇宙空間に、割れんばかりの歓喜が響き渡ります。
青く澄みきった惑星は祝福を持って受け入れられたのです。
私の宇宙船は、360度、外が見渡せるようになっています。
私と何人かのクルーが一段高いところにいます。
そこが宇宙船をコントロールするところのようです。
私たちの恒星間を、移動する巨大な宇宙船の艦隊です。
天井から足元まで、外が見渡せるようになっている窓際で、私たちの家族たち、私の舩のクルーが地球の美しさに見とれています。
しかしその見とれている様子が、厳正にして荘厳でどこか神聖な儀式に見えます。
何度も見ているような光景なのに、私は、青い惑星の美しさ、太陽の美しさにすっかり魅了されています。
私たちはある「知らせ」をもって地球にやってきました。
私たち自らの意思でここまでやってきたのです。
私たち恒星間連盟が協力して「ある計画」を実行するためです。
私たちはこれから始まる壮大なドラマの始まりにいるのです。
壮大なドラマ。
それぞれの宇宙の諸力によってデザインされた完璧なヴィジョン。
私は栄光に浴しているという感情です。
参集した皆がワクワクし、創造の喜びで溢れています。
私はジェネラルと呼ばれています。
私たちの船団を率いる立場のようです。
この計画は地球の言葉で言えば、「楽園計画」とでもいうのでしょうか。
私たちは、この日のために長い時間をかけて準備してきたのです。
しかし、この表現は真実ではありません。
創造
(クリエーション)に、時間という概念はそのまま当てはまらないからです。
宇宙には、時間という概念がありません。
全て、「現在」の連続があるだけです。
私たちは、シリウス星系の惑星からきました。