Another Universe, Another World Flare’s past Life episode 10

Another universe. Another world.

フレア(Flare)

ここは静寂そのものです。

わたしは女性です。
髪の毛は銀色です。
わたしは地球人と同じ人間の身体をしています。
でも瞳は、燃えるような不思議な神秘的な色をしています。

髪の先に、とても美しい細工の施した髪飾りや、
夜空の美しさをそのまま閉じ込めたような、宝飾を身につけています。

そうですね。

わたしは、亜麻布とベールをまとったアルテミスの様、と言えばイメージしやすいかもしれません。
そういう、現在の意識からすると女神のような雰囲気です。
その出立がとても神秘的です。

そして、わたしはゆったりとしたローソファーのもたれかかり、
長い時を瞑想しています。

とても長い時間です。
人間が想像できる時間の枠を超えるような時の流れです。

感覚的にいえば、
それはいわゆる「メディテーション」というような感じではなく、
宇宙と一体になっている。というか、自己の境界線を超えている同一感という感じです。
まぁ、それをmeditationというのでしょうか。

白い清潔感のある広い館のリビングは、そのままテラスに突き出すように開かれていて、そしてその先には見たこともない広大な夜空が広がっています。

天の川銀河の夜空ではありません。

眩いばかりの生まれ来る星々や、星雲が手の届くようなところに広がり、山の稜線の上には輪のある巨大な月が二つ輝いています。

満天に爆発するように、
恒星が、遠く眩くきらめいています。

わたしの隣にはパートナーがいます。彼は男性です。

わたしの名前は地球の感覚、言語的にいえば、フレアです。
強烈な光、燃え上がるような閃光、
赤い光。

先ほども言いましたが、
わたしたちは、本当に長い時間、瞑想をしています。

気の遠くなるような時の中。
ですがわたしの意識の中では「今」という感覚だけです。不思議ですが。

何万光年。の時の流れ。

わたしたちにとっての瞑想とは、
クリエーションであり、
音楽を奏でることであり、
大いなるものと一つであることの喜びを感じることであり、
同時にわたし自身が、在るという事、
自由、
呼吸。
なのです。

わたしは、
ゆっくりと目蓋を開け、
眼前に広がる光景を目にして、
その時ある事をふと思いつきます。

「わたしたちは、転生しよう」

輪廻の円環。
永遠の生命。
そして、常に新たな命の芽吹き。

私の、
この針を突くような一点光明のアイデアに、
わたしの中に、瞬時に次々と壮大な物語が、ビッグバンのように駆け巡っていくのを感じます。

全てがわたしの中から弾け出し、
全てが自分の中に吸収される感覚です。

わたしは深く長い瞑想のなかで問うてきました。

瞑想によってわたしは大いなるものとつながることができ、
そうしてその恩寵を表したいと思っていました。

今という瞬間を知るために。

自らを現すために。

ではそれをどのようにデザインし、何を現すのでしょうか?

わたしは、メディテーション用のロー・ソファーの隣に座った彼に、私は少し興奮気味に話します。

「とても素敵なことを思いついたの。
本当にこれは素敵なことよ。
わたしたちは私たちを知るために、旅に出ようと思うの。
長い長い旅になるわ。
でもきっとそれはあっという間の出来事。
そんな気がするの。
時という中を旅するのよ。
そうして何度でも私たちは出会うの。
出逢い、そして別れもするけれどそれでもやっぱり出逢うの。
愛を知るために。
これはね、そういう風にできてるのよ。
全ては大いなる経験を経て、
私たちの神聖は成熟していくでしょう。
そう、私たちは転生するのです…」

彼は、わたしに賛同してくれます。

「それは、とてもとても素晴らしいことだ!」

ここは、地球が存在する宇宙ではありません。

別の宇宙での話です。

私の魂の故郷。

でも、あなたのお話でもあります。

昔々、遥か銀河の彼方での物語です。

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