石造りの小さな部屋
階段を登って、ボクは、知らない男の人に小さな部屋に連れてこられました。
その男の人は、何日もお風呂に入っていないような、
蒸せてしまいそうになるくらいひどい匂いのする人です。
着ている服も、薄汚れていて洗っていないひどい匂いがします。
首には、スカーフが結ばれています。
「痛いよ。やめて!そんなに腕を引っ張らないで!」
「うるさい!黙れ、いいから言うことを聞け!こっちへ来るんだ。」
「嫌だよ!ボク、そっちに行きたくない!やめて。離して!」
「黙れ!クソガキが。いいから、こっちに来い!」
男の人は、ますます怒って、ボクの左腕を掴んで引っ張って無理やりボクを歩かせようとします。
木の扉の前に来ます。
ボクは、部屋に放り込まれます。すると、外からガチャガチャと鎖が擦れるみたいな音がしました。
鍵がかけられ、逃げられないようにするためです。
その部屋は、扉が外から鍵がかけられるようになっていました。
ボクは、外に出てみようと扉を開けようとしてみましたが、
全然開きません。
すると、扉をドンドンと叩くような音がして、
「うるせい!静かにしろ!外に出ようなんて思うんじゃぁねぇ!クソガキが」
どうやら扉の向こうに、見張っている人がいるみたいです。
ボクは本当に怖くて泣いてしまいます。
部屋は狭く、小さくて、湿気っぽいカビ臭い匂いがしました。
小さな窓が部屋の上の方にあるけれど、外の光が見えますが鉄格子のようなものが見えます。
薄暗い部屋です。
最初は、物置か何かと思いましたが、ベットのようなものがあります。
ここが、ボクがいるべき部屋。
ボクは、急に、言いようもないくらい寂しくって、怖くて仕方がありません。
強烈な不安で胸いっぱいになり、張り裂けそうです。
お父様。
お母様。
ボクは、ただ、この部屋にいるだけです。
多分、閉じ込められたのでしょう。
そして、多分、
もう、ここから出られることはないのだと思います。